人が集まるところ人間関係があり、そして、好き嫌いが生まれてしまいます。
その中でも、端から見るとその理由は釈然とはしないものの、なぜか人に好かれる人という人が存在します。
人事のプロとして、国内外の企業を渡り歩いて来た中で、数多くの人との接触をしてきた筆者が見てきた「なぜか好かれる人の秘密」を独自の視点で紐解いてみたいと思います。
「好かれる人」と一口に言いましても、実に様々な要素がありますので、これ!という風に特定するのはなかなか難しいものですが、「なぜか」という言葉がつくのは、そこに「意外感」があるということで、”意外にも好かれる人”の特徴というのを事例を挙げながら、説明していきたいと思います。
筆者は、これまで様々な企業の経営者や幹部の方と食事をする機会がありましたが、仲良くなるにつれ、次第に飲食をともにする機会が増えていき、そして会員制クラブやスナックといったお店に同席することも度々ありました。
筆者は下戸でしたので、プライベートではそういったお店とはほとんど縁がなかったのですが、付き合いで通ううちに、ホステスさんの中にも、筆者が
「あのホステスさんは何かが違う」
と唸ってしまうほど、人気の高いホステスさんがいることに気が付きました。
そして、ホステスさんや一緒にお店に入った経営者の方などに、その女性のことについて聞いてみると
「お店のNO.1」
だったりすることもありました。
そこで、人気のホステスさんがどういった人に多いのだろうか?ということに興味を持った筆者は、他の経営者に誘われて、新しいお店へ行く度に、そのお店のNO.1のホステスさんをさりげなく教えてもらうようになりました。
そして、数十店舗を訪れていくうちに、筆者が得た個人的な感想としては…、
NO.1ホステスさんの特徴は実に意外感のあるものでした。
簡単に説明していきたいと思います。
○そのお店の中で、見た目が飛び抜けて”いい”わけではない!
筆者は最初は、綺麗なホステスさんがやっぱり人気があるのかな?と思っていましたが、決してそんなことはありませんでした。色々と話を聞いてみますと、男性(お客さん側)の中には、スタイルが良くて、あまりに綺麗な人は親近感が湧きづらい…なんていう意見もありました。
綺麗な人やカワイイ人が集まってくる職場だけあって、見た目だけ差別化するのは難しい、厳しい職業だと感じます。
○話し上手より聞き上手は当たり前?!
これは、筆者が思っていた通りでした。しかし、ホステスさんは、喋ることを仕事としているだけあって、思っていた以上でした。お店のNO.1と言われる彼女たちの多くは、単なる聞き上手というだけでなく、簡潔で、興味深い質問をする質問上手だけでなく、褒めることも上手な褒め上手でもありました。
○大切に人に向きあうこと、相手への関心の高さ
少し抽象的な話になってしまうのですが、人気のホステスさんは、「仕事だから」「自己顕示のために」といった理由で接客をしている感じはありません。
つまり、「仕事感」や「自己顕示感」をお客さんに感じさせません。
このことは決定的に重要だと感じました。
筆者が同席させて頂いた経営者と呼ばれる人や大企業の幹部に上り詰めるような人たちは、ビジネス的な感覚に優れているだけでなく、人間の機微や人間性にも鋭い感覚を持っている人が多く、通り一遍のような付け刃の接客では「ココロ」は掴めません。
言い換えますと、「仕事やお金のためだし…」「こんな美人の私が話を聞いてあげてる…」といったことを考えながら、接客していても相手からの信頼はとても得られません。そういうことを少しでも感じさせてしまった時点で、お客さんはサッと引いてしまいます。
その点、NO.1になる女性の多くは、そういったことを十分心得ているのか、そういったことを微塵も感じさせません。
もちろん、採算度外視で接客しているということではありません。逆説的ですが、仕事感や自己顕示を感じさせない女性と接するお客さんは、きちんと支払ってくれるそうです。
【まとめ】
事例として、ホステスさんの例を挙げましたが、「なぜか好かれる人」のエッセンスは掴んで頂けたのではないでしょうか?
ホステスさんの例は、決して特殊な業界というだけの話ではないと思います。
どんな組織の中でも見た目がいい人が必ずしも、「好かれる人」であるとは限りません。
しかし、「聞き上手」で「質問上手」で「褒め上手」な人は「好かれる人」である可能性が高いです。(これについては、あまり意外感はないかもしれません。)
そして、純粋に大切に人に向き合うこと、相手への関心が高い人は、一見、それは分かりにくいものですが、周りから見ると「なぜか」人からの信頼を得て、好かれる人の真の特徴です。
人は、自己顕示のために、自分のことを伝えたい人は多いです。(自分の話題ばかり)
また、相手に関心があるように見えて、実は
「見返りを期待して…」「なにかを探るように…」「本当は関心がないのに…」「仕事だから…」
という人も少なくありません。
人は想像以上に、敏感です。自分は心のなかで、思ってはいても口には出していないと言っていても、真意は中長期的には隠し切れるものではありません。
そして、真摯に向き合ってくれる人が予想以上に、少ない中で、真摯に向き合ってくれる人は貴重な存在です。
「なぜか」好かれる人の秘密は、実は一見分かりにくいですが、そんな特徴を持った人だと筆者は思います。
(もちろん、上記のポイントだけが理由ではないですし、個性を彩る特徴は他にも沢山ありますので、あくまでエッセンスの一つとして参考にしてもらえればと思います。)