人に好かれる話し方にはその人の性格からはじまり、考え方、身振り、手振りに至るまで実に様々な要素があります。人事のプロであり、幾度かヘッドハンティングも受けた人事のプロが徹底解説します。
○自分のことを話すのではなく、人の話を聞きだす
実は好かれる「話し方」というのは、裏を返せば、話し相手から話を「聞き出す」ことに違いありません。
なぜ、そんなに「聞き出す」ことが重要なのでしょうか?
人から好かれない話し方をする人は「自分のことを話したい」「自分の言うことを認めてほしい」といったことを繰り返したり、またその逆で「無難にやり過ごそう」「テキトーに一般論」をみたいなその場しのぎの会話ばかりしているからです。
考えればわかる事ですが、こちらの言う内容をほとんど無視して、ひたすら自分の考えを主張してくる人と会話が続くでしょうか?いえ、続けたいと思うでしょうか?ほとんどの人が「NO」ではないでしょうか。
そんな人の話し方が好かれるはずもありません。
また、口にすることが毒にも薬にもならないような表面的な内容をいつも繰り返している人の話し方が会話相手に興味を抱かせることがあるでしょうか?せいぜい2~3回の会話までではないでしょうか。
結局のところ、話し方というのは、相手の話をよく聞き、そしてその会話の中身の本質がどこにあるのか、そしてその中身が深刻なのか、たわいも無い日常会話なのか、趣味嗜好があるマニアックな会話なのか、ビジネスライクな緊張感ある話なのかを見抜くことが第一歩ということです。
その後で、はじめて相手に「共感」を得られるような質問を投げかけることができるのです。ここまでくれば、おそらく会話の相手は「この人とは会話ができる」という感触を得られるはずです。
そこで、あなたがその「会話の中身に応じた話し方」で話すことが自然とできれば、会話相手はおのずと「本音」に近い言葉をするすると出してくるはずです。
人に好かれる話し方とは、まずは会話の相手から「本音」を引き出すための、準備であり、それが引き出せていないということは、「そこまでは」好かれてはいないということなのかもしれません。ただし、それは決して落胆することではありません。まだ準備が足りていないだけなのです。
では、どうすれば、会話の本質を見抜くことができるのでしょうか?
次は会話の本質を見抜き、そしてそれをどう活かすかをみていきたいと思います。