人に好かれる人になるために、最も簡単で最も効果的な方法を一つ挙げるとすると、間違いなく私は「笑顔」と答えると思います。
実際のところ、老若男女問わず、笑顔ほど人に好かれる方法はありません。
例えば、世界中でもそのホスピタリティが認められているディズニーリゾートですが、そのホスピタリティの裏には、次のようなことがポリシーとされています。
「すべてのゲストにハピネスを提供するために,ディズニーのキャストは,つねに笑顔でいることが求められています。」
お客様にはできるだけ、笑顔で接しましょうね!ではないのです。
笑顔でいることを常に”求められている”というのです。
ディズニーリゾートに行かれたことがある方はお分かりになるかと思いますが、ディズニーのキャストは、そこで働いている人すべての人がそれを実践されています。掃除をするキャストや何かの作業をしているキャストもです。どのキャストも決して笑顔を忘れないのは、初めて行った人は驚くほどだと思います。
つまり、ディズニーリゾートは、笑顔でいることをスタッフに浸透させて、そしてそれを徹底的に実践させるということは、笑顔でいることの大切さ、そして大変な価値があることを分かっているのです。
笑顔だけで業績が向上したわけではありませんが、ディズニーリゾートの業績は数十年に渡って、増収増益を続けていますが、その増収増益を支える要素の一つに徹底した笑顔に見られるようなホスピタリティがあるのは、疑いの余地はないでしょう。
では、あなたの周りではどうでしょうか?
「あの人っていつも笑顔だよね~」
なんていう人はいないでしょうか?
また、その反対で
「あの人っていつもムスッとして、しかめっ面のときがほとんどだよね~」
なんて人はいないでしょうか?
そして、その対照的な2人が周囲からどういう評判か、あるいはどういう人間関係を築いているかを思い出してみてください。
例外はあるにしても、恐らく、いつも笑顔な人の方がいつもムスっとしている人よりも、周囲の人から気軽に声を掛けられるような存在であることがほとんでしょう。
そして、何より「人に好かれる人」であると思います。
また、それは仕事でも同じだと思います。
いつも厳しい顔ばかりしている人が、仕事ができるわけでは決してありません。むしろ、円滑な人間関係を築けないという意味では、いざという時に助けてくれる人が周囲にいなかったり、貴重な人材が辞めるなんてこともあるかもしれません。
いや、そんなことはない。いつも厳しい顔ばかりしている人で仕事ができる人を知っているという人がいるかもしれません。
しかし、それは対人で考えた場合は、決して人に好かれる人でなかったりします。業績を上げることに専念することは素晴らしいですが、眉間にシワを寄せて、人生のほとんどをビジネスに費やし、お金を儲けることばかり考えることが人間性を豊かにするとは限りません。
そして、そんな人が人に好かれる人になり得ることは極めて難しいと言わざるを得ません。
仕事を頑張りながらも、笑顔を忘れない。
そんな人が人に好かれるというのは、上のディズニーリゾートのキャストの例を見ても圧倒的に可能性が高いでしょう。
人間は合理的な生きものであるという前提は、様々な実験や社会科学の研究でも、そうでないことが多いことが分かっています。
むしろ、程度の差こそあるものの、感情的で、利己的で、損失回避的で、排他的で、自己承認欲求が強いといった人がほとんどです。
人が合理的であれば、実は、笑顔であること、そうでないことはそれほど人から好かれたり、嫌われたりすることに影響しないかもしれません。
なぜなら、見た目とその人がどんな人であるかは本来、別のものだからです。
しかし、現実には、普段から「笑顔な人」は周囲の人に好かれやすい傾向にあります。
人間関係を築いていく上で、「笑顔」は最も簡単で、最も効果的に「人に好かれる人」に近づく方法の一つだと思います。