先に、筆者は、人間関係が原因で転職や退職を考えることは全然、悪くないと考えています。
むしろ、たった一度の人生で人間関係が原因で転職や退職を考えることが悪いなんてことは決してないと思います。
「何処で働くかよりも誰と働くか」そんな仕事に対する考え方があってもいいと筆者は強く考えています。
さて、今回のテーマは社風です。
社風という言葉は、その会社が持っている風土や雰囲気とでも言い換えられると思いますが、そうした社風や雰囲気に馴染めなくて…という言葉は、みなさんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
では、社風とは一体、どうやってできるのでしょうか?
会社の生い立ちや創業社長の影響、地域性などがあると思いますが、その背景にあるのは、そこで働く人たちの人間関係が醸成されて作り上げられているものだと感じています。
例えば、良い社風と言われれば、明るくて、人間関係がスムーズな職場を連想しやすいですし、社風が良くないと言われれば、あまり優しくなさそうな労働環境で人間関係がギクシャクしてそうなことを連想しやすいのではないでしょうか…。
もちろん、社風のいい・悪いが本人にとって、必ずしも人間関係の良し悪しにつながるわけではないと思いますが、本人にとってみれば、自分が働く職場の人間関係がよくなければ、
社風に馴染めない…
(自分にとっては)社風がよくない…
となってしまってもおかしくありません。
筆者はこれまで、国内外の様々な企業を渡り歩いてきましたが、体育会系の社風の企業、ロジカルな理系な社風の企業、まったり文化系の社風の企業など、まさにその社風を作っているのは、そこで働いている人たちが醸成しているもので、そして、自分の性格や価値観とマッチするかどうか、もっと言えば、その職場の人たちとの人間関係がスムーズなものであるかどうかが、とても重要だと感じました。
例えば、誰もが知っているような有名企業が実は離職率が高く、人間関係がギスギスしてて、お世辞にも”社風がいい”とは決して言えないなんてことは意外によくある話です。
そして、中小企業で業績もよく、離職率も低く、人間関係良好などう贔屓目に見ても、社風がいいなんて会社もあります。
結局のところ、企業の大小を問わず、その会社の社風に馴染めるかどうかは、そこで働く人達との人間関係をいかにスムーズに築けるか、自分の性格や価値観がその職場の人と合うかどうかだと思います。
最後に筆者の知人の例を
知人は今なら誰もが羨むような人気企業に創業期から関わり、そしてその後は誰も知っている外資系の超有名企業で働いていました。
会社内での人間関係もスムーズで今でもその関係は上手くいっているそうです。
しかし、その知人は会社を辞めて、独立起業という道を選びました。
その決断をした知人に驚いた筆者は尋ねました。
「どうして、辞めたの?!」
それに対して、知人が少し言いにくそうに、こう言いました。
「前の会社も、その前の会社もどちらも素晴らしい会社で、本当にいい経験だった。ただ、その良すぎる社風が自分には合わなかったんだよ」
筆者は耳を疑いました!
「え?! 社風が良すぎるから辞めた?」
知人
「そう。自分がハングリーであるためにね。」
筆者
「・・・。」
知人はその後、起業をして成功したのですが、根っからの仕事好きの知人は、”良い社風”に馴染めなかったのです・・・。
信じられない話ですが、社風とはそれぐらい相対的なものだと思います。
社風に馴染めないと感じたら、転職したり、退職して考えてみるのも自分のキャリアを見なおしたり、再構築するチャンスなのかもしれません。