○人に好かれる話し方とは、まずは人の話を聞き、そして会話の本質を見抜くこと
自分のことばかり話す人や、相手の話に耳を傾けるのではなく相手の話に無関係な発言を繰り返す人は、残念ながら「好かれる話し方」をすることはまずできないでしょう。そればかりか、「あの人と話してもどうせ、聞いてくれないし…自分の話ばっかり…。話すのはやめとこう」となってしまうのが関の山です。
では、どうすれば、好かれる話し方ができるのでしょうか?それは、極端なことを言えば、相手の話をきちんと聞き、会話の本質を見抜き、適切な質問を繰り返し、その中で、自分のことを少しずつ話していく方法ということになります。
○相手の話を聞く、会話の本質を見抜く
会話の主題がどこにあるのか?これを素早く見抜くことができれば、これほど会話を円滑に進めることができる手立てはありません。
しかし、このページをご覧の方は、「それが難しいから困っているんだよ…」と嘆いている方もいらっしゃるかもしれません。
また、「会話の本質って何?」という方もいらっしゃるかもしれません。
会話の本質というのは、実は表面的な言葉の裏に潜む話し相手の本音だったり、根底にある感情、その時の目標であったりします。
たとえば、ある新卒2年目ぐらいの社員が、頼んだ仕事ができないことが分かり、話を聞いてみると、
「私はこの仕事のやり方を教えてもらっていません」
と発言したとします。
この若手社員の発言の本質はどこにあるのでしょうか?
○責任回避?
○社員教育が十分でないと考える会社への批判?
○上司への好き嫌いというレベルでの感情的な答え?
○他意はなく、教えてもらっていない事実を伝えただけ?
○2年目なのに、まだ十分仕事ができないの?という周囲への反発心?
まだまだ予想できることはあると思いますが、ざっと、思いつく限りで挙げても、上のように若手社員の言葉の裏に潜んだ本質がイメージできます。
ただ実際のところは、この一言だけでは今回の判断は極めて難しいでしょう。
ですから、その人の話しぶりやその他の発言内容、身振り、手振りなどを観察しながら、その人の本質を探っていきます。
たとえば、上記の内容に加えて、
○日ごろから教育体制が十分でないことへの批判めいた発言を度々口にしている
○上司である管理者とのコミュニケーションが十分でないと感じていることを口にしている
などが普段の会話の中から感じられていた場合は、「会社の社員教育」や「自分の仕事ぶりについて満足していないこと」が推察されると思います。
人は思っていないことや考えてもいないことは中々、口にすることができません。稀に、自分でも思ってもいないようなことを口走ることがあるかもしれませんが、そう多くはないでしょう。
逆に言えば、断片的に口にすることを点から線へつなげていくと、その人の思想なり、哲学なり、性格が徐々に明らかになっていく確率が上がっていくということです。
長々と説明してきましたが、会話の本質を見抜くということは、表面的な発言だけを見るのではなく、その人の発言の数々や、身振り、手振りなどその人から得られるあらゆる情報をもとに、その人の本質を見抜くことに他なりません。
また裏を返せば、相手の話をよく聞かず、断片的な情報をもとに、会話の本質を見抜いた気になり、発言の本質を間違った前提で決めつけてしまうと、かえって相手に誤解を与えてしまうような会話をしてしまいかねません。
会話の本質を見抜くということは、可能な限りの情報を集めること、つまり
「話をきちんと聞く」
ということになるのです。