人間は、誰しも小さな頃から、大人になってもなお、誰かに”認めてもらいたい”という欲求を大なり小なり、持っていると思います。
実は、他者に認めてもらいたいという行動を起こすのは、人間に限ったことではなく、猫や犬などの動物にも見られ、動物行動学的に、生物は自分の価値を他者に認めてもらいたいという願望があることが分かっていまして、人間だけが特別ということではありません。
ただ、そうした欲求も行き過ぎると、周囲に距離を置かれたりすることも少なくありません・・。
例えば、今回の主題である自己顕示欲の強い人というのは、自己主張が強すぎて、周囲の人の話を聞くより、どうしても「主役は私」になりがちな人なので・・。
ということで、今回は「自己主張が強い人の特徴5つ」と「その人の対処法」を見ていきたいと思います。
では、早速見ていきましょう。
1.主役は私
自己顕示欲が強い人の最も典型的なタイプである「主役は私」タイプの特徴は、他者との関係で”自分が優位”な存在として認められたいという願望がとても強い人です。
自分が優位であることを認める材料としては、社会的地位(出世)であったり、知識だったり、お金だったり、友人関係だったり・・優位性をアピールできるものは何でもアピールします。
「主役は私」タイプの特徴は、社会全体の中での絶対評価ではないので、ある特定の人間関係内(例えば、学校や会社やサークルなど)において、”主役”であればいいのです。
そして、その組織が小さければ小さいほどいいのです。なぜなら、優位な関係を作る人が少なくて済むからです。
「主役は私」タイプの人は、いい方向に働くと、大切な存在として認められるために、責任感を持ってリーダーとしてチームのみんなを引っ張ってくれるので、大変頼りになります。
しかし、「主役は私」タイプの人の問題点は、その根底にある動機が他者との関係で”優位”であることに根差しているので、仮にチームとしての結果が振るわなかったり、プロジェクトに問題が発生したりすると、一転、他者を攻めたてたりするところにあります。
なぜなら、自分の非を認めてしまうと、他者との関係における”優位”を保てなくなるからです。それに比べれば、その責任を他者に転嫁したり、外部要因に求めるのは「主役は私タイプ」の人にとっては、とても簡単なことなのです。
〇「主役は私」タイプの対処法
「主役は私」タイプの人の対処法は、いかに”ノセ”てあげられるか。筆者はそれに掛かっていると思います。調子がいいときは、分かりやすいぐらいご機嫌なのですが、自分の”優位”に傷がつきそうになるような問題が発生したときには、急に不機嫌になったり、攻撃的になったりします。
そんな時には、あの手この手で、「主役は私」タイプの人を”その気”にさせて、その問題の解決に主体的に取り組んでもらうようにしましょう。
もともと責任感が強く、何より主役になりたがる人ですので、問題を解決することで”他者との関係における優位”を得られるのであれば、喜んで頑張ってくれることが多いです。
2.スルーされるのが大の苦手
自己顕示欲の強い人は、その強さ故に、スルーされるのが大の苦手です。打ち合わせ、イベント、飲み会、社内行事、仲のいいグループとのランチなど、その内容は何であれ、スルーされるということに我慢なりません・・・。
自己顕示欲の強い人は極めて自己評価が高い人が多いので、本人は”誘われて当然”だと思っていますが、周囲からはできるだけ距離を置きたい・・って実は思われていたりします・・・。
自己顕示欲の強い人にとって、スルーされるというのは、言い方を変えれば、”軽視”されているということに他ならず、スルーされた後の反応は、幾つかのパターンに分かれます。
まず分かりやすいパターンはスルーされたことにへそを曲げてしまい、しばらく冷たくなります。しかし、次に誘われたりすると、喜んでやってきます。
別のパターンとしては、他のグループや他の人たちと積極的に出掛けるようになるパターンです。これは、”軽視”されたと感じ、「私を大事にして誘ってくれる人たちがこれほどいるのよ」というアピールだったりします。こういうときはSNSなどでも積極的に写真などをアップしてきます。
〇「スルーされるのが大の苦手」な人への対処法
スルーされるのが大の苦手の自己顕示欲の強い人への対処法ですが、かなり慎重になる必要があります。
自分が”外されている”ということに対して、とても敏感なので、そうじゃないということを伝える必要があれば、ちゃんと伝えましょう。
もう一つの方法としては、自己顕示欲の強い人がスルーされた後に、様々な反応を見せてくることがありますが、それも”そっと”しておいてあげるというのも一つの手です。
3.思い込みが激しい
自己顕示欲の強い人は、自己評価が高いために、非常に思い込みが激しいことも特徴の一つです。
自分の意見を持つことは筆者は非常に大事だと思っていますが、自己顕示欲の強い人は、柔軟性に欠けた思い込みや偏見を持つ一方で修正力も乏しいのが特徴です。
「思い込みが激しい」タイプの人は、いわゆるナルシストに近く、自分への意見に明確な根拠がなかったとしても、なぜか自信満々です。むしろ、自分の意見という結果からスタートして話を筋立てていますので、ときとして、後付けがとんでもない角度からやってきたりします。
反証データなどが明示されると急におとなしくなったりしますが・・。
〇「思い込みが激しい」人への対処法
STAP細胞で世間を騒がせた人といったらイメージが湧きやすいかもしれませんが、思い込みが激しい人への対処としては、真正面からその場でぶつからないようにするということです。
思い込みが激しい人は、何の根拠があって・・といういうぐらい自信満々であることが多いため、真正面からぶつかると突然、感情的になったり、攻撃的になったりして、対話ができなくなることが少なくありません。
一旦、場を改めて、反証データなどを明示しながら、冷静に話し合う方が賢明です。
4.他者への不平・不満、皮肉が多い
自己顕示欲の強い人の別の特徴として、他者への不平・不満・皮肉が多いという点が挙げられます。
その心理的背景は、「1.主役は私」に近いのですが、他者との関係性においての優位を示すために、他者への不平・不満・皮肉を口にすることが多く、「1.主役は私」と異なる点は、「他者がこんなにダメだけど、頑張っている私」というロジックで、自分をよく見せて、認めてほしいということです。
「1.主役は私」タイプは、自分のアピールが主たるアクションですが、アピールするものが無いときは、他者の評価を下げて、自分の評価を上げようというアクションを起こすのが「他者への不平・不満・皮肉が多い」タイプです。
時として、感情的になったりしているときは、口悪く罵ったりすることがあったりするので、こちらがドキッとすることがあったりすることも珍しくありません。
実際は、周囲の人からしてみると、他者への不平・不満・皮肉は、マイナスの材料でしかないので、当の本人の評価が上がるわけではなく、むしろ、度々そんなことを口にしていると周囲の人が距離を置くだけなのですが・・・。
〇「他者への不平・不満、皮肉が多い」人への対処法
このタイプについては、話題に付き合わない。これしかありません。「他者への不平・不満、皮肉が多い」タイプの人が上司などで、いつも付き合わないわけにはいかないという場合は、テキトーに相づちを打ってその場をやり過ごしてしまうことだけ考えましょう
5.評価基準がとにかく他人
自己顕示欲の強い人の最後の特徴は、その根源とも言える、他人からの評価について。
自己顕示欲の強い人は、他人からの評価にこだわるあまり、何を決めるにしても、「他人からどう思われるのだろう?」という視点で動きます。
例えば、資料を作った場合にその特徴がよく出ますが、資料の読み手がその資料を読んで、「その資料の内容をどう思うか?」ではなく、「その資料を作った人のことをどう思うか?」に主軸があったりするのです。
筆者がよく散見したのは、
・カタカナ英語が不必要に多い
・資料が冗長
・要点を得ない
などなど。
「評価基準がとにかく他人」の人への対処法
著名な心理学者であるアブラハム・マズローは、他人からの尊重だけに留まるのは危険で、本当の意味での”自己尊重”が重要であると語っています。筆者もその通りだと思います。
評価基準が他人になりすぎていると判断できる場合は、筆者はときとして、「他者からの評価は一旦、置いておきませんか?」と率直に伝えてみたりします。
そうすることで、劇的な変化は生まないかもしれませんが、「評価基準がとにかく他人」タイプの人にも一つの新しい視点を提供できると思います。
【まとめ】
「自己顕示欲が強い人の特徴5つとその対処法」と題して、お送り致しましたが、いかがでしたでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました!