『有行実行』、『言うは易し行うは難し』『走りながら考える』など、実行力にまつわる格言や言葉は、今も昔も数多くあります。
それほど何かを速やかに確実に実行する力というのは、身につけるのが難しいということなのかもしれません。
ただ、スゴイと言われるほどの実行力がないのと、何もしない怠慢とは明らかに違います。
実行力は、ある目的のために個人や組織がそれぞれのペースで行動を伴うのに対して、怠慢は行動をしないか、あるいは行動をしないようにしているからです。
なぜ、行動を起こさないのでしょうか?
めんどくさい…、そもそもやる気がない…、どうすればいいかわからない…といった理由から、お金がない…環境がない…人がいない…など様々な理由があると思います。
そういった理由も言わずに、放置しておくことも怠慢になりますので、○○な理由で実行できそうもない場合は、そのことを正直に口にすべきです。
あるいは、今は実行できないが、将来的に実行するために今はその準備として、これを行いますと説明すべきかもしれません。
言葉と実行力が何度も一致しない場合は、その人の信頼はやがて失われていきます。
言葉の信頼性が失われてしまうということは、それは人への共感が失われることに他ならず、よほど寛大な人でなければ、関係の希薄化は避けられないと思います。
実行できないかも…という理由で周囲に何も説明せずに物事を進めようとしすぎるのも問題ですが、口ばかりで実行しないのは信頼とともに印象にも影響を与えます。
コミュニケーション能力に長けた人でディレクション業務やプロデュース業務ばかりをこなしてきた人が陥りやすい「罠」に、手を動かせないというのがあります。
会社の看板を背負って仕事をしてきた人が転職あるいは独立して規模の小さな会社に移ると、要求される仕事の幅とともに、その人がどれくらい「できるのか」ということが問われることが少なくありません。
実際のところ、ベンチャーや規模の小さな仕事ではいわゆる「雑務」レベルの仕事に追われることがとても多いです。
ところが当人は、これは自分がやる仕事ではないとなってしまいがちです…。となると、周囲の理解は得られないばかりか、場合によっては「使えない人」になりかねません…。
実務レベルもこなすことができる、あるいはこなそうと努力することが周囲からの共感や好意を集め、組織やチームとして機能することにつながります。
泥臭い「実行力」は、とても重要な要素だと思います。