すぐイライラする人と温厚な人~好かれる人のイライラしない方法~

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営業、人事、マーケティングと国内外の企業を渡り歩き、何百人、何千人の心理をつぶさに見てきた”人ウォッチャー”の筆者が「すぐイライラする人と温厚な人」を比較しながら、好かれる人が実践しているイライラしない方法を徹底解説!

イライラしない方法の説明に入る前に、「すぐにイライラする人」と「温厚な人」が周囲の人からどんな風に見られて、その結果、巡り巡って本人にどんな影響を与えているのか、ざっと見てみましょう。

すぐにイライラする人

話しかけにくいと思われる→周囲と疎遠になる→孤立

すぐにイライラする人が周囲の人からどんな風に見られているかという点で最も分かりやすい特徴と言えば、「話しかけにくい・・・」といった点ではないでしょうか。上司であれ、恋人や同僚であれ、部下であれ、その立場を問わず、すぐにイライラする人ほど話しかけにくい存在はありません。

そして、すぐにイライラする人という”レッテル”が張られてしまうと、周囲はおのずと、その人から距離を置きはじめます。その結果、周囲からは触れにくい存在となり、ついには孤立無援といった状況を生んでしまいます。

感情的な人と思われる→冷静な議論ができない→孤立

これも先ほどの「話しかけにくい人」に近いのですが、すぐにイライラする人=感情的な人となってしまい、仕事の会議や打ち合わせなどに呼ばれない・・・といった状況を生んでしまいます。

いや、仕事に真剣に取り組んでいるのだから・・・熱くなるのは仕方がない!結果を残せば、感情的になるのも悪くはないはず!と考える人もいるかもしれませんが、しかし、それは本当に限られた人だけです。スティーブ・ジョブズのような0.0001%のような例外を一般化することは決してできません。

また、すぐにイライラする人で成功をおさめた人が、周囲の人から距離を置かれ、孤立無援になっているのは、果たして本当に幸せなのでしょうか。

いみじくも長期間にわたって世界トップクラスの資産家で居続けているウォーレン・バフェットが「幸せとは、自分の愛する人に愛されることだ」と語っているのは、含蓄に富んだ言葉だと筆者は思います。

本音で話しにくい→うわべだけの付き合いに終始→孤立

すぐにイライラする人が自分をますます不利な状況へ追い込むものに、「本音で話してもらえない」ということが挙げられます。

人間は動物であるが故に、防衛本能が働き、自分を不快にさせる人に対しては、心も体も閉じてしまいます。会話をする度に、すぐにイライラするような人に対して、誰が心をオープンにして、本音を打ち明けるでしょうか?

すぐにイライラする人に対しては、次第に周囲はうわべだけの会話に終始し、やがて、孤立無援といった状況を招いてしまいます。

コミュニケーションができない→(仕事などで)待遇に恵まれにくい

もしかすると、すぐにイライラする人は、不遇なときを過ごしやすい傾向にあるがゆえに、すぐにイライラしているのかもしれません・・・。

すぐにイライラする人は、周囲からはコミュニケーションが取れないと判断されて、最終的には、仕事などでも、冷遇されやすくなってしまいがちです。「あの人とは仕事がやりにくい・・・」といった評価を得ている人が、どうして恵まれた待遇を用意されるでしょうか。

仮に、そういった恵まれたポジションを得ていても、下からは疎まれ、上からは信頼されずに、幸せであるとは言えないケースがほとんどであることは説明する必要もないでしょう。

人とぶつかりやすい→嫌われたり、恨みなどを買いやすい→後々、邪魔されたり、足を引っ張られたりする

すぐにイライラする人は、周囲から疎まれるだけでなく、嫌われたり、恨みを買ったりする場合も決して少なくありません。これは、仕事やプロジェクトを進めるうえで、しばしば障害になったりします。

転職経験者の方であれば、これは理解しやすいかもしれませんが、いわゆる生え抜きと言われる社員からの嫉妬やねたみだけでなく、単純に新参者というだけで好奇の対象になったりします。また、プロスポーツ選手でも、日本から海外へ行った際、”同じ”チーム内から仲間として認められることが大変ということが少なくないと言います。

すぐにイライラする人が、周囲に敵を作り、恨みを買ったりすると、とんでもない目に遭うことも少なくありません…。

周囲と上手くいかず、ストレスを抱えやすい→精神面、健康面に影響が出やすい

医学的にも検証例がありますが、怒りは寿命を縮めると言われています。それは、すぐにイライラする人も同様です。すぐにイライラすることで、周囲と上手く関係を作ることができず、ストレスをためやすくなり、精神的にも肉体的にも”きつい”状況に追い込まれやすくなります。

また精神的な余裕がないと、さらに、それが神経過敏な状況へ自分を追い込むことになり、もっとイライラするようになってしまうという悪循環に陥ることもあります。

周りの人とよく揉める→困った時でも、助けてくれる人がいない→困難な状況が長く続きやすい

もしかすると、すぐイライラする人が最もツライのが、この「困難な状況が長く続きやすい」かもしれません。

筆者が知っている人で、過去最もすぐにイライラする人は、それはそれは周囲からの嫌われ具合もすさまじく、客観的に見ていた私も見たり、聞いたりしているだけで、気が重くなるようなことばかりでした。

そして、筆者がその人(すぐにイライラする人)を知ってから、約半年でその人が職場を離れたのですが、最も驚いたのは、その人の入社時と退職時の顔が人相まで変わってしまった!と思うほど激変していたことでした。(退職時に、入社時の写真を見せてもらった)

困難な状況が長く続くというのは、人生に大きな爪跡を残すことがあるといっても決して過言ではないと思います。

中長期にわたって人間関係を作りにくい→友達と呼べる人がいない・恋人などができにくい→私生活が無味乾燥になりやすい…

筆者の知人の中で、ルックスが良く、トークも上手なイケメンの営業マンがいるのですが、その彼は、長い間、友達も少なく、恋人にも恵まれません(いつもフラれてしまう・・・)。色々と理由があると思いますが、筆者が見る限りは、すぐにイライラする人の典型といった人です。

何かイライラするネタを探しているように、周囲に目をつけているといった状況で、もったいない生き方をしていると感じたことは一度や二度ではありませんでした。

やんわりと筆者は、「すぐにイライラするのは、勿体ないですよ」と伝えてはいるものの、本人も分かってはいながらも、「なかなか直せなくて・・私生活も寂しいもんです・・・」と言っていました・・・。

温厚な人

温厚な人は、すぐイライラする人の事例をほぼ真逆にしてもらえれば、その特徴が分かるかと思います。

話しかけやすいと思われる→周囲と仲良くなる→人間関係が充実

温厚な人は、すぐにイライラする人とは違い、その形容詞の通り、多少の”突っ込み”も許容してくれるぐらいなので、周囲の人にとって見れば、話しかけやすい存在です。

誰にでも話しかけられやすい人は、おのずと周囲と仲良くなるので、食事や宴会などでも誘われることも多く、人間関係も充実することになります。

冷静な議論ができる→周囲から度々、誘われる→周囲から必要な人と認識される

温厚な人はイライラする人とは異なり、周囲から誘われることも多くなり、その結果、周囲から必要な人と認識されることが少なくありません。

例えば、温厚なだけで重要な存在になるのまでは難しいかもしれませんが、温厚で周囲から何かと誘われやすい人が、こつこつと繋げた豊富な人脈が会社にとって貴重な資産になるといったこともあります。

本音で話しかけやすい→腹を割って話せる→深い関係を築きやすい

温厚な人は、その懐の深さから、人から相談を受けたりすることが多く、その流れで、本音で話しかけられるということも多くなりがちです。その結果、温厚な人は、腹を割って話せるという印象を与えやすく、相手と深い関係を築きやすくなります。

「本音を打ち明ける」というのは、話し手からすれば非常に勇気のいることで、人からの信頼を得ている証左だと思います。

コミュニケーションができる→(仕事などで)待遇に恵まれる

温厚な人は、コミュニケーション・スキルが高いがゆえに、待遇に恵まれるチャンスが少なくありません。職種によっては、コミュニケーション・スキルしか優れたスキルがなくても、それだけで待遇に恵まれることがあると言っても過言ではありません。

実際のところ、すぐれた営業マンには、温厚でコミュニケーション・スキルが抜群に優れている人が多いものです。

人と円滑な関係→高評価や好印象を与える→後々、思わぬ擁護や恩恵に

すぐにイライラする人とは対照的に、温厚な人は、他人に日常的に好印象を与えてることが多く、予想外のところで、擁護されたり、恩恵を受けることがあります。

例えば、温厚な人が、恩恵を受けやすい状況としては、”面接”があるかもしれません。円滑な人間関係を作ることができると判断されれば、それだけで複数の候補者の中でも断然、有利です。

実際、超難関の転職を潜り抜ける人の中には、温厚でコミュニケーション・スキルに優れた人が多いです。

周囲と上手くいく、ストレスを抱えにくい→精神的、身体的な健康面が充実

周囲と上手く関係を作ることができる温厚な人は、ストレスを抱えにくく、精神面や身体的な面でも健康である人が多いです。温厚な人でもストレスを抱えない、感じないというわけでは決してありませんが、ストレスを軽減させることが上手いだけでなく、日常的に温厚であることで、ストレスにさらされにくい環境を作り上げています。

精神的な余裕や身体的な健康は、温厚であり続ける”支え”にもなりますので、すぐにイライラする人とは対照的に、好循環を生み出しています。

周りの人とよい関係→困った時に助けてくれる→困難な状況がすぐ終わる

温厚な人は、周りの人と良い関係を作り上げることができるので、困ったときにも多くの人が救いの手を差し伸べてくれます。

困った時に救いの手を差し伸べてくれるというのは、簡単なようで、実は決して、簡単なことではありません。複雑な人間関係や仕事、プロジェクト、責任、結果など、しがらみが多くなればなるほど、人は救いの手を出したくても出せないということが起こります。

それでも、温厚な人は普段からコミュニケーションを周囲としっかりと取っていることで、困難な状況を切り抜けることができたりします。

中長期にわたって人間関係を作りやすい→友達が多い・恋人などができやすい→公私ともに充実しやすい

温厚な人が、最も恵まれるのは、公私そして人生そのものです。決して局所的といったものではありません。

すぐにイライラする人で、友人や恋人や結婚相手に恵まれないのは、容易に想像がつきますが、温厚な人が恵まれないといったケースは、よほど特殊なケースを除けば、”周りが放っておかない”と筆者はこれまでの経験から確信に近いものを感じています。

好かれる人のイライラしない方法

それでは、ここから、好かれる人が実践しているイライラしない方法をまとめて紹介したいと思います!

物事の解釈と受け取り方を根本的に変える

筆者が一番最初にこれを持ってきたのには、理由がありまして、これが最も重要であると考えているからです。

すぐにイライラする人と温厚な人の違いの本質は、多くの場合、物事の解釈や受け取り方にあります。すぐにイライラする人は、ほとんどの場合、「自分が正しい」と思い込んでいます。

例えば、こんな調子です。

自分が正しいはずだ!→あの人が話していることは、間違っている!→なぜ、分からないんだ!イライラする!
自分が正しいはずだ!→誰だ、こんなことしたのは!→イライラする!

逆に温厚な人は、こんな調子です。

議論が噛み合わないなぁ→こっちが間違っているかもしれない→一度、考え直してみよう
自分が作った資料を非難されて→でも、あの指摘はどう考えても間違っているようだ→ただ、そんな考え方もあるのかもしれない→重要なことは正誤じゃないから、別にいいや。

物事の解釈と受け取り方が変わると、これほどまでに一つの事象も景色が変わります。物事に対して、白黒をつけたがったり、どうしても善悪で見たがる人がいますが、筆者はこれは非常に危険な発想だと思いますし、社会通念や杓子定規に照らして、判断するのも時と場合によっては、同様に危険だと思います。

物事の解釈と受け取り方を根本的に変えるということは、決して簡単なことではありませんが、イライラしない方法を会得するための最も重要な手立てになり得ます。

時間をうまく使う

温厚な人でも、イライラしたりすることがないかというと、決してそんなことはありません。温厚な人でも、イライラすることがありますが、それを軽減させることに長けていたりします。

その最も重要な方法の一つが「時間」です。

エビングハウスというドイツの心理学者が考案した忘却曲線によれば、人間は1日も経過すれば、その日、記憶したことの大半を忘れてしまうようにできています。

イライラしないためには、それを利用して、忘れるための工夫を行います。例えば、イライラが大きくなる前に、その芽を摘むように、少しでもイライラを感じたら、そのこと以外のことに気を集中させ、忘れるための時間を稼ぎます。

イライラが小さいうちに記憶に残らないようにすれば、人間の脳は記憶しておくほどのことではないと判断して、忘却の彼方に、イライラを引き起こしたことを追いやってくれます。

書く・話す・共有する

温厚な人であっても、断続的にイライラすることにどうしても遭遇してしまうことがあります。そんな時に解消する最も有効な方法の一つが、そのイライラしたことを”書く”ことです。海外の無料ブログサービスでもいいですし、書くだけですっきりします。イライラがおさまった数日後にでも、そのブログは削除してしまえばいいだけです。もちろん、紙でも効果はあります。

また、誰かと話し、イライラした原因を共有するだけでも解消法になったりします。ただ、気をつけなくてはいけないのは、愚痴の言い合いやイライラすることを是認してしまうだけの馴れ合いの会話に終始してしまっては、あまり意味はありません。愚痴の言い合いやイライラしたことをこぼし合うだけでは、解消というよりは、イライラすることを認め、正当化し、場合によってはイライラすることを強化することにもつながりかねません。

社会的習慣に縛られない

心理学には「一貫性の原理」と呼ばれる、自分の発言や自分の立場に対して責任を持とうとしてしまう人間の心理を指した用語があります。その背景には、自分の親や社会から、「自分の意見には責任を持ちなさい」と言われ続けてきた”社会的通念”がありますが、筆者はこれも真面目に考えすぎてはよくないと思います。

物事を真正面から受け止めるのが必ずしも善ではありません。世の中には、理不尽なことがあふれていますし、非合理的なことは21世紀を迎えた今も、先進国ですら多く存在します。

つまり、自分の発言や立場に縛られて、目の前で起きている事象に過度にとらわれ過ぎて、度々イライラするぐらいであれば、発言について訂正すればいいのです。

いつもイライラしている人よりも、発言をいつでも修正できる柔軟性をもった温厚な人の方が、よっぽど周囲には理解されるはずです。またそうした方が、イライラしないで済みます。

自分の代わりはいる

イライラを生み出す原因は様々なものがありますが、その中でも”やっかい”なものとして、嫉妬や自尊心があります。なぜ、自分をもっと大事にしてくれないのか?なぜ、こんなに頑張っているのに高い評価を得られないのか?そんなことを考えたことがある人が読者の中にもいるかもしれません

しかし、世の中のほとんどの人には、代わりがいます。さらに、余人をもって代えがたいと言われる人がこの世の中からいなくなっても、世の中は回っていきます。

嫉妬やねたみを抱えていても、イライラが増幅されるだけです。

嫉妬やねたみを捨てて、自分の代わりはどこにでもいるとあきらめましょう。嫉妬やねたみを抱えて、それが原因でイライラして、人間関係を悪くするぐらいだったら、嫉妬やねたみとサヨナラして、イライラしない=温厚な人という付加価値を自分につけた方がよっぽどいいでしょう。

視野狭窄から脱出する

心理学的に視野狭窄というと、一つのことに集中しすぎて、物事の本質が見えなくなることを指していますが、イライラすることに集中しすぎて、客観的に物事が見えなくなってしまっているということがあります。

視野狭窄から抜けるには、「休む」ことです。

心に、頭に、身体に休息を与えることにより、心はリフレッシュされ、頭はスッキリし、体は快調になり、イライラから解放されることでしょう。

笑う・泣く・寝る

笑うことは、イライラとは全く真逆の行為です。そして、笑うことの重要性は、「笑う門には福来る」という古くからのことわざを出すまでもなく、重要です。イライラするときほど、大好きなバラエティ番組でも見て、笑いましょう。

また、涙を流すことで、感情がスッキリするというのは、多くの実験で検証されています。イライラして、泣くということはないかもしれませんが、泣きたいときには、思いっ切り泣いてみるというのもイライラを解消するのには役立つはずです。

あとは、休むに近いですが、「寝る」ことです。ひたすら寝るだけでも、イライラは随分、解消されるでしょう。

歌う・体を動かす・出かける

人によっては、アクティブに活動することで、イライラを解消しているようです。筆者の周りで、口頭ベースで聞いてみたところ、意外にイライラ解消法として、挙げられたのが、歌ったり、走ったり、小旅行に出かけたりといったものでした。

試したことがない人には、予想外の効果が得られるかもしれません。

映画・本・音楽

筆者が実はよく利用しているのが、映画です。評判のいい映画を数本見たりすると、なぜかイライラが解消されていたということは何度もありました。

本や音楽なども、筆者はイライラしたときの解消として、積極的に活用しています。

食べる・買う・売る

イライラに上手く対応している女性に多いと感じるのが、「食べる」でした。値段が張ったとしても、ランクの高い美味しい料理を食べることでイライラを解消しているようです。

また面白かったのは、自分が持っているものをオークションやフリマ・アプリなどで、売ったりすることで、ストレス解消をするといった例です。そんな方法で・・・ストレス解消になるの?という方もいるかもしれませんが、自分が出品したものを誰かが買ってくれるというのがストレス解消になるようです。物がなくなって、スッキリするというのもあるのかもしれません。

まとめ

ピタゴラスの定理でも有名な数学者でもあり、哲学者のピタゴラスは、かつて「怒り」について下のような名言を残しています。

『怒りは無謀をもって始まり、後悔をもって終わる』

イライラしない方法を会得して、少しでもハッピーな人生を送りたいですね!

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